大阪府労働委員会事件

講師雇用継続団交拒否事件

2015年3月、最高裁において大阪府・府教育委員会が、非常勤講師等の組合員らの次年度雇用継続を要求する団体交渉を拒否したことが不当労働行為であると確定しました。府・府教委は組合に対して計10件に及ぶ誓約書を手交し、今後の正常な労使関係に努めることに合意し、組合との間で協定書を締結しました。

しかし、その後の再開された団体交渉においても、府・府教委は組合員の次年度雇用、労働条件について団体交渉で回答することを拒み続けました。そのため、組合は最高裁確定後も大阪府労働委員会に大阪府の不当労働行為を申し立て続けています。

 2017年大阪府講師雇用継続団交拒否事件

 2018年大阪府講師雇用継続団交拒否事件

 2019年大阪府講師雇用継続団交拒否事件

2017年大阪府講師雇用継続団交拒否事件では、府・府教委は法的根拠がない「内申権」を理由に、継続雇用の回答を拒否しました。各学校・市教委から内申が上がるまでは回答できないというものです。しかし、組合員本人には校長や市教委を通じて、勤務校・勤務時間などの次年度の労働条件を伝え、辞令も交付したのでした。

府労委は不当にも2019年6月12日、団交で組合に回答することなく、組合員に直接働きかけた行為については言及しないまま、組合の申し立てを棄却しました。組合の頭越しに組合員に働きかけることは組合と組合員を分断する典型的な支配介入の不当労働行為である常識を覆す府労委命令を無効とするためにも組合は、中央労働委員会に再審査申立を行いました。

結果、昨年末に和解が成立し、本年1月の知事決済で和解協定書が交わされました。協定書には特別職・非常勤講師の次年度任用については任用始期までに組合に回答する旨が記載されました。

大阪府会計年度任用職員団交拒否事件

地方公務員法等が改正され、地方自治体に勤務するほとんどの非常勤職員は2020年4月1日から会計年度任用職員に地位が変更される。もちろん、この地位の変更(任用根拠の変更)は各地方公共団体が決定することである。

ところが、大阪府は非常勤職員等は「自動的」に会計年度任用職員に移行するとして、組合との交渉事項ではないとして組合が申し入れた団交を拒否した。このような対応を行った地方公共団体は他に例がなく、組合は府労委に救済を申し立てた。2019年9月10日に最終陳述が行われ、後は命令を待つばかりとなった。

組合-救済申立書

組合-最終陳述書

府 -最終陳述書

最終陳述に当たっては新しい主張を行わないことがルールになっているにもかかわらず、府は賃金単価計算にかかわって、地域手当の算出あたり教職調整額を給料として扱わないと主張した。組合がそれまでの準備書面において、大阪府給与条例・規則に則って教職調整額が地域手当算出にあたり給与として扱われると主張したことへの反論であった。

しかし、府が「組合は条例に無理解」という旨の批判をしたものの、実は府が条例を読み込めていなかったことは、給与明細書を見れば明らかである。残念ながら、最終陳述の後では府労委において府の主張の誤りを指摘することはできないが、府労委がこのHPの記事に気づくことを期待する。

府労委が申し立てを棄却 任命権者への忖度疑念

 2020年2月12日、府労委は組合の救済申し立てを棄却する命令書を交付した。

争点①は今年4月からの会計年度任用職員に移行する非常勤講師等の地位の変更(任用根拠の変更)が義務的団交事項にあたるかであった。府・府教委は団交事項でないとして協議を行わなかった。審査の中でも、府・府教委そして組合とも、任用根拠の変更については団交協議が行われなかったと主張した。ところが府労委は、任用根拠の変更は義務的団交事項であると認定したものの、実質的に府は団交を行っているから、団交拒否に該当しないと判断した。任用根拠の変更について府・府教委が団交に応じたというのであれば、会計年度任用職員ではなく、特別職地方公務員のままにしておく、あるいは任期付き非常勤職員に移行することについての協議の機会があったはずである。実におかしな事実認定である。

また争点②は、府・府教委が示した常勤職員の時間単価が条例・規約に基づかないものであったことから、不誠実団交であるといえるかであった。府労委は、条例・規則に基づかないが、非常勤講師等には休日がないのだから、常勤職員の時間単価を計算するにあたって条例・規約ではない独自の計算式でよいとする府・府教委の説明は妥当であるとの判断を行った。条例・規約を「時の知事・行政」が自由に解釈することを認めたものであり、「法の支配」からの逸脱である。

府労委は、大阪府を被申立人とする申立てについて、なかなか救済命令を出さない。約20年間争った混合組合適格性事件についても、中労委・裁判所の判断が出るまでは申立てを棄却し続けた。労働委員会員は知事によって任命されるとしても、労働事件の準司法機関としての独立性が求められている。

命令書

中央労働委員会事件

 2017年大阪府講師雇用継続団交拒否・再審査事件

裁判事件

 2017年岸和田支援学校雇止め事件